無限落とし穴

病棟の端に井戸があるのだが、
年に一度、そこは無限に通じてしまう。
いわば、永遠に落ち続けるのだ。


落ちながら、歳をとる。
ブラジルまでは行かない。
地獄までも続かない。
どこまでも、落ち続ける。


途中、思わず悟りを開いてしまう。
落ちている瞬間、人は神となる。
心理が導かれ、不意に手が伸びる。
壁を探せ。
それを掴め。
あとはひたすら登るのみだ。


と見せかけて、うんこや、おしっこをする。
そのために、実は場所を安定させたんですね。
そして落ちる。
ひたすら落ちると底には温泉、隣にはエレベーターが。
めでたしめでたし。